
子どもの声と家族の気づきを診療につなげる
院長 花凪 灯里
熱やせきが続くとき、ご家族が知りたいのは、病名の説明だけとは限りません。家で何を見ていればよいか、食事や水分はどうすればよいか、もう一度受診する目安は何か。診察では、そうした疑問にも一つずつお答えします。症状が始まった時期に加え、眠れているか、いつもと比べて元気があるかなど、ご家庭での様子を教えてください。話す順序は気にせず、気になることから聞かせていただければと思います。
診察室では、保護者の方のお話だけでなく、お子さんの言葉を聞くことも大切にします。まだ言葉で伝えられなくても、表情やしぐさから分かることがあります。何をするのかを短い言葉で伝え、怖がっているときには何が嫌なのかを確かめながら診察を進めます。大人から見た様子と、お子さんの感じ方が違うこともあります。本人が話してくれたことを、診察で必要なことを考える手がかりにします。
食事や眠り、ことばの発達などは、毎日のことだからこそ迷う場面があることでしょう。ほかのお子さんとの違いが気になっても、それだけで決めつけず、これまでの成長や暮らしの様子を診察室でお聞きしています。健診や予防接種の際にも、気になっていることがあればお聞かせください。すぐに確かめることと、様子を見ていくことを分けて、理由もあわせて診察の際にお伝えします。
診察が終わってから、聞きたかったことを思い出すこともあるでしょう。説明が分かりにくかったときや、ご家庭では難しいと感じたときは、そのまま教えてください。お子さんの体調を見ていくのは、診察室を出た後も続きます。家で困る場面を想像しながら、伝える言葉を選べる医師でありたいと思います。